Vol.3 インプラント治療を成功に導く5つの要素(治療計画の重要性1)

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2017.05.09

Vol.3 インプラント治療を成功に導く5つの要素(治療計画の重要性1)

今回から、徐々にインプラント治療の具体的なお話をご紹介していきます。まずはインプラント治療のスタート地点である「治療計画の重要性」からご紹介します。

インプラント治療を成功に導くためには様々な要素がありますが、特に大切となる要素が以下の図の中心の楕円を取り巻く5つの要素です。それぞれの要素がどんな意味を持つのかを見ていきましょう。

インプラントロジー

まずは全体像です。中心にある横長の楕円形には「Osseo Integration」と書いてありますが、これは埋入したインプラントと患者さまの骨がしっかりと結合している状態、すなわちインプラントの成功を意味しています。

その周囲を取り囲む5つの円、これらがインプラント治療の成功に欠かすことができない5つの要素です。では、5つの要素がどんな内容かを簡単にご説明します。

中央一番上にある「Treatment Planning」、これは「治療計画」を意味しています。問診はもちろん、歯型の採取、レントゲン撮影、噛む位置の検査など(当院のインプラント治療における検査の詳細は、別の記事で詳しくご説明します)、患者さまの様々な情報をもとに診断を行い、より多くの観点から(この観点についても別の記事で詳しくご説明します)検討を重ね、最善の治療計画を練り、患者さまに説明を行う一連が治療計画にあたります。インプラント治療において、この治療計画はたいへん重要な意味合いを持ちます。万一、治療計画が疎かであった場合、その後のあらゆることが後手後手にまわってしまい、「こんなはずじゃなかった」と、みんなが不幸になってしまいます。

残る4つの要素をSurgeryから反時計回りにご紹介すると(反時計回りに追うと、実際のインプラント治療の流れに合致します)、適切な外科処置(Surgery)によりインプラントを埋入し、技工士さんと連携しながら補綴処置(Prosthesis)を行って治療を終える、そして治療後に歯科衛生士と二人三脚で行う定期検診(Maintenance)と続きます。早期の治癒(Healing)は最期に位置していますが、実際には全ての要素にかかる大切な要素となります。

少し話しは逸れますが、上のスライド画像は、歯科医師の先生方に向けたインプラント講習を行う際に実際に使用しているスライドです。インプラントの成功に欠かすことができない5つの要素(中心の円を取り巻く5つの要素)のうち、Healingを除く4つの要素は、歯科医師の先生方にその内容を思い浮かべていただけるケースが殆どです。しかし、5つ目の要素であるHealing(治癒期間)については、まだあまり叫ばれていない要素であるため、時間を割いてしっかりとご説明するようにしています。

当院では、以前からHealing、すなわち治癒期間(いかに早く治すか、患者さまの負担をいかに少なくするか)をインプラント成功の重要な要素としてきました。例えば、固いものを噛むことが出来ない患者さまがしっかり噛めるようになるために、4年も5年もかかっていたらどうなるでしょうか。しっかり噛めるようになるまでの数年間、簡単に噛むことができる麺類などの炭水化物に栄養が偏っていたら、将来どのような結果を招くでしょうか。手術が複雑で治療期間が長かったり、治療後に患部が腫れる、痛い、その結果、治療が終了するまでしっかりと噛めない…、そうなれば、歯科治療をすることによって生活習慣病をはじめとする体の不調を引き起こしかねず、サクセスフルエイジングと逆方向に向かってしまいます。

このような状況を引き起こさないために重要となる要素がHealing(治癒期間)なのです。当院ではこの要素を充足するため、患者さまの目線に立った4S-treatment(4S=Simple(シンプルな治療)・Small(最小の治療)・Short(短期間の治療)・Safty(安全な治療))を目指すとともに、Healing(治癒期間)をできる限り短くすることを大切にしています(4Sのお話も、追って記事を作成しご紹介します)。

さて、次の記事は、上の歯を優先して治療する「上顎優先の治療計画」のお話です。実は、歯がなくなるのは、上の歯が先行しやすいという傾向があります。その理由を、人間の骨格の構造を交えながらご説明するとともに、治療方法としてインプラントが選択肢に挙る理由をご紹介します。